本を読んで旅に出る 2022.2.25

本を読むことは、私にとって「救い」だと思った瞬間があった。

今までのように大好きな旅に出ることができないタイミングが重なり、家で静かに本を読む時間が増えた。

昨年読んだ本のなかで印象的だったのは、ミヒャエルエンデ の「はてしない物語」。ページ数が多く、本当に果てしなく続く物語だった。

でも、見る見るうちにその物語の中に吸い込まれていき、本の後半になると、読み終わってしまうのが嫌になり、明日も読めるようにと、まだ読みたいのに意図的に本を閉じていた。

「はてしない物語」は、少年が本の中の世界を冒険していくストーリーで、文字だけではなかなか想像しづらい生き物が登場したり、簡単には分からない描写もあり、その度に自分の想像力を働かせてイメージを膨らませながら読み進めていると、まるで私も本の中にいるような感覚になった。

しかし本を閉じたらそこは私が住む家で、時計を見ると「もうこんな時間だ!」と驚く。

そんな想像の世界と現実とを行ったり来たりする時間がとても楽しい。家の中にいながら、今までのように旅を楽しめている気がした。

最近は、全く違うジャンルの本を同時に数冊読み進めている。
かなり現実的な社会や政治時評本、エッセイ集、そして再びミヒャエルエンデなど。
寝る前はさくっと読めてなんだか明るい気持ちにさせてくれるエッセイ集の中からひとつ、しっかり読書したいと思った時は小説とか、自分なりにその時の時間や気持ちにあわせて選ぶようにしている。

同時に数冊の本を読み進めることは、1日に数人の著者に出会っている気がするし、様々な種類の世界を垣間見れているようでとても楽しい。

本ひとつとっても、そのなかに広がる世界は千差万別。
今日はどんな世界に出会えるのかワクワクする。
そのワクワクする気持ちが私にとって「救い」となる。