今日の出会い 2021.8.23

ふと、緑の空気を吸いたいと思い立った。
天気予報では夕方から雨が降ることになっていた気もしたけど、そんなことよりも身体のモヤッとした状態から抜け出したいと思い、1人車を走らせた。

久しぶりの高原への道のりは意外と長くて、車のフロントガラスから見える灰色がかった大きな雲を眺めては、今更雨の心配をしてみたり。車も人も居ない田んぼ道を走っている時は窓を開けて空気を吸い込んだ。田んぼの稲は穂がなっていて、また季節は巡ったことを知る。
いつもの電柱に鷹がとまっていた。どこかで誰かが野焼きをしている煙の匂いが懐かしく、良い匂いだと感じた。以前まで毎日通っていた道が、やっぱり好きだったんだと再確認した。

どんどん車を走らせていき、アクセルを踏みながら高原までの上り坂をひたすら登る。
途中、道路右側の林でガサッとした音がした。姿は見えなかったけど、あの音の感じ、揺れる葉っぱの感じ、鹿だと思った。
途中で空気が冷たくなる境目や、知らぬ間に黄色く変化した木々の葉っぱを見つけた時は、嬉しい気持ちが湧き上がる。

何を見つけて、何を感じることが出来ているのか。意識がどこか遠くにいってしまわないように、今自分が生きている感覚をしっかりと掴みたかった。忘れたくない感覚。

高原に到着すると、馬たちが居た。
秋の風が吹いていて空気はひんやりしていたけれど、夕陽がじりじりと熱く感じて半袖でも問題はなかった。とんぼが飛び、アブが飛び、隣の木にはカラスの群れがいて、馬たちがいて、私がいた。アブが飛ぶ音、草を喰む音、カラスが飛び立つ音、馬の嘶き。いろんな音がした。
特にスペシャルな何かを見つけたわけではないけれど、やっぱりこの感じが凄く好きだと実感できたことがとても嬉しくて、来て良かったと思った。

大切にしたいこと、好きなこと、身体や気持ちにそぐうものは何なのか。ということは、全てのものが変化していくように変わっていくから、日々確かめていたい。

高原の帰りは、2匹の猫と2匹の幼い狸と出会えた。